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奥能登SUPPORT GAMES開催レポート

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 2023年10月21日(土)~22日(日)の2日間にわたって、輪島市・珠洲市・穴水町・七尾町の奥能登2市2町を舞台とする「奥能登SUPPORT GAMES」が開催されました。

 これは令和5年奥能登地震でダメージを受けた奥能登地域に対して「何かできることはないか?」というライダーたちの声を形にするためのツーリングラリー。

 日の出から日の入りまでを走り抜くSSTRの楽しさはそのままに、多くのライダーが奥能登の風情を満喫できるよう、スタート/ゴールを単に「任意の場所」とした他、奥能登地域での宿泊を推奨しながらチェックインを専用GPSシステムに登録すること完走条件とするなど、ツーリングで奥能登地域の観光を具体的にサポートする内容となっているがこのツーリングラリー最大の特長で、日本各地から約1,000人のライダーたちが参加して奥能登を盛り上げました。

SWP1:千里浜は奥能登の入り口

 奥能登SUPPORT GAMESには、立ち寄りを必須とする3カ所のスペシャル・ウェイポイント※(以降SWPと表記する)が設定されています。

この中で、ライダーたちが最初に立ち寄るSWP1が、SSTRでもなじみ深い千里浜なぎさドライブウエイ。

 今回はこの地点を10~14時の間に通過するのがルールとなっていました。

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 21日は他イベントの開催の関係で、千里浜なぎさドライブウエイは​他イベントの開催に伴って砂浜の走行を想定せず、千里浜入り口(宝達志水町)の今浜にチェックポイントを設置してライダーを出迎えました。

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 こちらでは、砂浜にバイクを止めて記念撮影を楽しんでいただけるスペースを設けるなど、SSTRの雰囲気を味わっていただく予定でしたが…

 21日当日は前日からの雨と潮位の関係で通行止めとなり、残念ながら、バイクで砂浜に入ることができませんでした。

    ゲートオープン時も雨は止まず、冷たい風に吹かれた今浜チェックポイント。それにもめげずライダーたちは足早に地点登録を済ませて先の道へ向かいます。

 こうした悪天候を考慮し、SWP1千里浜は今浜チェックポイント・千里浜レストハウスの両地点での地点登録を推奨。 

千里浜レストハウスにも多くのライダーが立ち寄りました。

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 千里浜レストハウス内のSSTR CAFEでは、今回の開催に合わせて、1,000円以上の利用でもらえる季節限定ステッカー(オータムバージョン)がカフェ特典として用意されました。

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SWP2:ラポルトすず(珠洲市)でステージイベント開催

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   15時からは、SPW2である珠洲市の多目的施設ラポルトすずの駐車場に於いてステージイベントを開催。

ゲートオープンの14時には続々と参加ライダー達が会場に到着しはじめました。

オープニングトーク

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 ステージ進行は、風間晋之介と下川原リサの2人が担当。

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 風間晋之介は、「自宅からでもスタートOKというルールの中でも、ほとんどの参加者が自宅以外から出発し、奥能登をしっかりと周遊できるコースを選んでくれている」と、趣旨を理解して奥能登の走りに臨んでくれた参加者たちに感謝の気持ちを伝え、

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 下川原リサは、「ライダーたちの気持ちを共有したい」と、風雨にもめげず関東の自宅から愛車のカブで会場入り。「会場の皆さんの笑顔を見て元気をもらった」と、旅の疲れを見せることなく、終始笑顔で会場を盛り上げてくれました。

 

主催者挨拶

 「ライダーと目線を合わせて、彼ら彼女らの懐に飛び込んでいくのが大好きだ」と、移動の途中も積極的にライダーとの会話を楽しんできた風間深志。

​ 道の駅塩田村で開催されたSSTR2023の交流イベントにもご登壇いただいたOhtani(大谷)モーターサイクルクラブを紹介し、同クラブ会長の桜ヶ平好雄(さくらがひら よしお)さんを急遽舞台に招き入れ、「地元の方々もみんなの来訪に刺激を受けているんだよ」と紹介しました。

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 風間深志は彼らとの対談の中で「納屋でほこりをかぶっているバイクを起して、一緒に町を興そうじゃないか」と、自分より齢を重ねた”少年”たちの目を輝かせた、風間深志は強く感銘を受けたのだと言います。

 Ohtaniモーターサイクルクラブは、この8月に珠洲で行われたトライアスロン大会で移動マーシャル(審判)として活躍したほか、信州などへもツーリングをされているそうで、精力的に活動されている様子を知り、風間深志も桜ヶ平さんのお話に終始、笑みを浮かべていました。

日本赤十字社 石川県支部との連携を紹介

 令和5年奥能登地震をきっかけに、日本ライダーズフォーラム(以下JRFという)は今年5月より、日本赤十字社石川県支部と連携協力を行い、JRF 主催ツーリングのエントリーライダーであれば、災害時支援団体のメンバーとして災害発生時に現地で活動できるよう支援体制を整えました。

 これにより、珠洲市では県外に住むライダーもフォーマルな形で現地に入ることができるようになり、がれきの搬出や家屋の片づけなど、十数回にも及ぶ活動に汗を流し、復旧支援に大きく貢献しました。

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 今回は、JRFの理事で日赤石川県支部との連携を推進した金沢星稜大学名誉教授の池田幸應氏の進行で、災害ボランティアの受け入れに関わった珠洲市社会福祉協議会の方々や、日赤石川県支部の方、そして、今回の震災で災害復興支援活動に参加したライダーの皆さんにご登壇いただき、それぞれの視点から災害ボランティアライダーの意義についてお話をいただきました。

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金沢星稜大学名誉教授

池田 幸應氏

 珠洲市社会福祉協議会

​会長 表 敬一 氏 

珠洲市社会福祉協議会

​ 事務局長 塩井 豊 氏 

日本赤十字社 石川県支部

​ 事業推進課長 富樫 純治氏 

 今回の震災で災害ボランティアセンターを設置した珠洲市社会福祉協議会は、多くのライダーが現地で活動してくれたことを「地域からも評価する声が多かった」と感謝の言葉を述べられ、日赤石川県支部では「日赤とJRFとが同じ方向を向いて活動を共にできた」と連携を高く評価されました。

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美多 隆一郎 氏(石川県)

山崎 正敬氏(石川県)

寺島 恵一 氏(石川県)

岡田 徹 氏 (千葉県)

 今回現場で活動したライダーの中には、他地域の赤十字でバイクボランティアをしているライダーや防災士などの資格を持つ方もいらっしゃるのですが、にっぽん応援ツーリングをきっかけにそれらの資格を取り、長期にわたる災害復旧活動に加わった方もいらっしゃいました。

 ここで皆さんが一様に語ったのは、「バイクと災害ボランティアは、非常に相性が良い。災害があったら皆さんにも積極的に参加して欲しい」というお話でした。

 ※この他当時現地では、阪入 剛裕 氏(香川県)三重野 健治 氏(京都府)も活動に参加されていました。(イベント当日はご欠席)

珠洲市長よりご挨拶

 降っては止みを繰り返していた雨は、この時点で横殴りの雨に。

そんな状況にもめげず、珠洲市の泉谷 満寿裕(いずみや ますひろ)市長が登壇されると、会場にはなんと、大きな虹のアーチがかかりました。

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 泉谷市長は雨の中、「心から開催をお礼申し上げるとともに、皆さんを心から歓迎申し上げます。」と、参加者たちを熱烈に歓迎。​ご挨拶全文はこちらのページでご紹介しています。

奥能登2市2町に義援金を贈呈

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 奥能登SUPPORT GAMESの参加費の一部は、「奥能登応援義援金」として、珠洲市・輪島市・穴水町・能登町の2市2町に寄付させていただき、泉谷市長に日本ライダーズフォーラム代表の風間深志より目録を進呈しました。

じゃんけん大会

 泉谷市長のご挨拶の間かかっていた虹もつかの間。​じゃんけん大会が始まると、なんとまた大粒の雨が…。

​それでも会場はご覧の通り。 協賛各社の豪華景品が用意され、土砂降りのじゃんけん大会は大いに盛り上がりました。

日没カウントダウン

 奥能登SUPPORT GAMESは日の出スタート・日没ゴールという、SSTRの楽しさが盛り込まれたツーリングラリー。それ故「5.4.3.…」カウントダウンで日没を迎えると、GPSシステム上でSWP2の通過登録の受付が終了となります。

​ 21日はこのカウントダウンをもっての日程を終了。

ライダーたちは各々の宿へと向かい、GPSシステムに「宿泊登録」をして翌22日のSWP3 道の駅赤神(輪島市)そして各々が設定するゴールへの道に備えます。

にっぽん応援ツーリング・ファイナルイベント開催

 明けて22日(日)、珠洲市は前日とは打って変わって秋らしい晴天に恵まれました。

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オープニングイベント

オープニングパフォーマンスでは、地元珠洲市の馬緤(まつなぎ)キリコ太鼓保存会の皆さんが太鼓を披露。

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 この地で古来から、厄払い・豊作・豊魚の祭礼太鼓として地元に受け継がれてきた伝統の太鼓。

今回はライダーの歓迎と安全祈願として打ち鳴らされたもので、保存会代表の方は、「様々な地域から来られた皆さんには是非、奥能登の景色や文化に触れてもらいたい」とご挨拶をされました。

にっぽん応援ツーリング主催者挨拶

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 風間深志は、多くのライダーが6か月間にわたり、ボランティアとして様々な形で人や地域に貢献したことに深い謝意を表しながら、「来年はもっとパワーアップして、モーターサイクルの公益性を世に示しながら一つの文化を築いていこう。」と、社会貢献へのさらなる参加を呼びかけました。

日本赤十字社 石川県支部との連携を説明
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​ ステージには金沢星稜大学名誉教授の池田幸應氏と共に、5月の震災時にJRFライダーをボランティアとして受け入れた日本赤十字社石川県支部事務局長の表 正人 氏が登壇されました。

  池田幸應氏は「バイクは助け合う乗り物。赤十字の理念とする「人道」はそれに通ずる。」と、ライダーが人道に立ち上がる意義を強調。

 地元珠洲ご出身の表 氏は、震災時だけでなく、こうして多くのライダーが珠洲のために集まったことへの感謝を述べられました。 

にっぽん応援活動報告会
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 これは、ライダーたちがにっぽん応援ツーリングの期間中に日本各地で行ってきた様々な社会貢献について紹介するコーナー。

各地で活動したライダーがJRFに送信した約220通の活動報告メールを基に、会場の皆さんと一緒にその活躍を称えました。

なお、この日紹介した内容は、こちらで詳しくお伝えしていますので、次回の活動の参考に是非ご覧ください。

ライダーのための救命講座
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 長年バイクレース団体の救護隊長として活躍された桑田幸二さんを講師にお招きし、万一事故に遭遇した際の対処方法を学ぶ、「ライダーのためのファーストエイド講習会」をご講演いただきました。

 今回は「転倒に遭遇したら」をテーマに、要救護ライダーの緊急移動法や、ヘルメットの脱がせ方が中心の講座。

 いざという時の現場では、下記の救護のフローチャートを是非参考にしてほしいと話されていました。

「ライダーのための救急法より (転倒ライダーに遭遇したら)」

柏秀樹氏によるライディングレッスンを実施
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 事故に遭ってからの処置だけでなく、事故に遭わないための技も学ぼうということで、今回は 柏秀樹氏を迎え、ブレーキングについてを重点的に、運転操作の一つ一つを分解しながら、セーフティーライディングの条件を整える方法を楽しく教えていただきました。

スタート式(一斉スタート)
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 じゃんけん大会や集合写真の撮影が終わると、いよいよスタート式。

​奥能登SUPPORT GAMESの参加者は、次のSWP3道の駅赤神をへ、そしてにっぽん応援ツーリングの参加者は各々の日常に向けて出発していきました。

​この模様はこちらの動画でもご覧いただけます。

ご出展いただいた会場ブースのご紹介

JAのと 珠洲支店

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​ 「JAのと」珠洲支店女性部の方々による「えびすお汁粉」が振舞われて大人気。

これは珠洲市特産の大納言小豆とえびすカボチャのお団子のお汁粉。

寒さに耐えてきたライダーたちにこの甘味と暖かさが染み入りました。

受付

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 受付ブースでは、宿泊先や印象に残った風景や食べ物のほか、自らが掲げたこの旅のテーマなどについて、アンケートにご協力いただきました。

穴水町

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 穴水町ブースは観光スポット紹介に加え、ご当地ステッカーが配布されました。

日本赤十字社石川県支部

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 こちらでは、JRFと日本赤十字社石川県支部との新コラボステッカーの配布で賑わいました。​

珠洲市

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 珠洲市ブースは観光案内所のほか、道の駅すずなりの出張店となり、お土産品の販売も行われました。

輪島市

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輪島市ブースでは「輪島塩」がもらえるじゃんけん大会にこの行列。

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JRFと日本赤十字社石川県支部との新コラボステッカー

奥能登国際芸術祭とも連動

 奥能登SUPPORT GAMESは、⽯川県による奥能登応援旅⾏割や珠洲市による奥能登国際芸術祭とも連動し、地域の魅⼒発信や宿泊・飲食などを楽しみながら地域を応援できるよう、設定した40カ所のWPには関連する施設・場所・地域が組み込まれているのも今回の特長です。

 期間中は市内各地に配置された屋内外の展示作品のスポットに、奥能登SUPPORTラリーのゼッケンをつけたライダーの姿を見ることができ、各地の道の駅や観光名所にも、参加ライダー達の姿がありました。

 

 のと鉄道能登線の終着駅・旧蛸島駅跡にあるトビアス・レーベルガー作 「Something Eseis is possible」(なにか他にできる)も、奥能登国際芸術祭作品の1つ。

 

『ここで線路は終わるが、珠洲市の発展はここから先へまだまだ続いている』ことを意図しているとも言われる作品ですが、奥能登SUPPORT GAMESはまさに、モーターサイクルでその期待に応えるイベントだと言えるでしょう。

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写真提供:美多 隆一郎 様

 奥能登SUPPORT GAMES参加者はさらにここから23:59までに自宅など、各々が定めた場所でゴールすることになっており、こちらを止まり木に休憩をして、それぞれの道へ走り出していきました。

 今回は、特に大きな事故報告もなく、無事にイベントを終えることができました。

 雨風も厳しい中でしたが、皆さんの走りで珠洲市の泉谷市長はじめ、奥能登の皆さんからも感謝の言葉を多くいただきました。

 にっぽん応援ツーリングでは今後も、「ライダーの喜びを社会の喜びに」をテーマに様々なツーリングを提案してましりますので、今後ともJRF 主催イベントへのご参加をよろしくお願いたします。

 ご参加いただきました皆様、本当にありがとうございました。​ 

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