にっぽん応援ツーリング10/30(日)「ファイナルミーティング」レポート

新たな夢を奏でよう ~10月29日(土) 前夜祭キャンプを開催~

​ ファイナルミーティング前夜の10月29日は、風間深志がオーガナイザーを務める山中湖湖畔の「村営山中湖キャンプ場」において、「にっぽん応援ツーリングファイナルミーティング前夜祭キャンプ​」を開催しました。

 当日は各地から約30名のライダーが参加。

「焚き火を囲み風間深志と今シーズンの走りを語り明かす夜」と題して、にっぽん応援ツーリングのこれまで、そして今後のあるべき姿などについて、燃え上る炎を見ながら熱く語り合う一夜となりました。

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​ 16極を制覇したライダーも多く、彼らの中には既に「来年の目標」がイメージされていました。

・「いかに極地を目指すかというのも大切だが、それ自体を目的にするばかりではなく、にっぽん応援ツーリングの志に今一度立ち返り、これまでよ
​りももっと、自然の風景を感じながら走りたい」。

・「旅の中で出逢う人に積極的に声をかけ、その地域の人との触れ合いや時間を大切にできるような旅をしてみたい」

 等々、「16極の先にあるもの」を考えながら、未来のにっぽん応援ツーリングの楽しみ方をさらに深める方法など、素晴らしい意見が次々と出されました。

 この様子には、プロデューサーの風間晋之介も「素晴らしい傾向、にっぽん応援ツーリングは新たなフェーズに入った」と口角を上げながら笑みを浮かべます。

 「新たな夢を奏でていく」とは10月2日のPREMIUM SSTRシンポジウムの中で、SSTRの将来について語った風間深志の言葉。

 にっぽん応援ツーリングにおいても、「どんな夢を奏でていこうか」と、燃え上がる炎のかなたに胸をときめかせた夜でした。

秋の富士の空の下

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 肌に山裾の寒さを感じる10月30日(日)の朝、山中湖交流センターきららのグランドで、各地から集まった総勢50名のライダー達と共に、「にっぽん応援ツーリングファイナルミーティング」(以下ファイナルMT)を開催。

4月のキックオフミーティングからはや半年、「ライダーの走る歓びを社会の喜びに変える」をテーマに開催してきた『にっぽん応援ツーリング』は、これをもっていよいよフィナーレを迎えます。

 にっぽん応援ツーリングは、様々な自然の風景を楽しむことはもちろん、バイクならではの機動力を活かしながら、街の人に貢献できることを歓びとして走る旅。

 ​今年は昨年よりも160名ほど多い670名のライダー達が、日本の東西南北に点在する最果ての極地16極を指標としながら、様々な地域を訪問。

ある人は災害地にバイクで駆けつけて復旧の人員として活躍し、ある人はビーチクリーン等に参加して自然環境の保全に汗を流す。

またある人は、気さくに話しかけてくるお年寄りの話し相手になるなど、この半年間、各々のライダーがそれぞれの得意を活かし、幾通りもの豊かな冒険を奏でました。

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 集まったライダーたちは、シーズンを通してそれぞれの観点から同じ目的を果たしてきたいわば同志。

駐輪場はちょっとした交歓会の会場となり、皆の表情に自然と笑みがこぼれます。

 

 今回のファイナルMTは、「今後のにっぽん応援ツーリングを考える」をテーマに、社会に求められるライダーの在り方と、その具体的な方法を参加ライダーと共に『体感』してもらいながら、にっぽん応援ツーリングの今後を展望する場となりました。

にっぽん応援ツーリングとは?

   はじめに、風間深志が講演を行い、にっぽん応援ツーリングを開催するに至った経緯を振り返りながら、「社会に貢献するバイク」の在り方について語りました。

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創成期にあった「競争から共生へ」の願い

  バイクは長い間競争文化の中で発展を続け、メーカーもメディアも「速さ・力」こそがステータスであるとして、バイクファンを先導してきた時代がありました。

  しかし、頂点を競うことを是とするなかで、光が当たるのは一部のスター選手だけ。

その上、魅力と威力をはき違えた認識が闊歩し、いわゆる「3ない運動の全国化」など、バイクと世の中との間には埋め戻すのが難しい大きな溝ができていました。

  そんな忌々しい状況、僕はバイクで旅する冒険家としてこれを変えたいと思った。

  バイクの旅を楽しむライダーが、世の中の人からもっと称賛される仕組みができないかと長年考え続けていたんです。

バイクの有用性を確信した震災復興

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   そんな憂いに出口を求めていた1995年1月17日。

 阪神・淡路大震災が発生し、くしくもその中で気づかされたんです。

 バイクが復興の礎になる、そしてバイクは世の中のためになることを。

   その思いから2011年の東日本大震災では自らライダーを集めて復興支援を行いました。

街のいたるところで電気・ガス・水道といったライフラインが寸断された中、住民が渇望したのは「今、どこで、何が起きているのか」という情報。

  ちょうどその時、「あなたたちはバイクを持っているならば、新聞を配ってくれないか」とボランティアを頼まれ、これを手伝ってみることにしたのです。

ライダーの歓びを社会の喜びに

  求めに応じて新聞を配り、住民の方々、特にご高齢の方々の話を聞いていると、その場に笑顔が生まれました。

  そして、自分たちもその笑顔を大変嬉しく思ったのです。

  もちろん、実際に災害地に出かけてその場の人の窮状を救うということも素晴らしいけれど、ちょっと年寄りの話を聞いて和んでもらう。

  これも立派な社会貢献ですよ。

「ボランティア」というのはそもそも、対象となる方のために行うものだけれど、『それをして嬉しい』と感じる自分のためであってもいいと僕は思う。

だって楽しくなければやりたくないし、続かないじゃないですか。

ライダーが行くことで喜ばれる、それで、バイクに乗っていてよかったと心から思える。

こんな体験をより多くの人にしてもらいたいし、「バイクっていいものだね」と思ってくれる人、またそう思わせてくれるライダーをいろいろな地域に増やしたいと今も思っています。

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自然を背景に輝く魅力

   こうして2017年にレース団体のMFJと共に創り上げたのが、にっぽん応援ツーリングの前身となる「走ろう東北!MFJ東北復興応援ツーリング」(以下、東北復興応援ツーリング)でした。

彼らとの関係が深まったことにより、旅するボランティアライダーの功労を、レースの年間チャンピオンと同じ舞台で表彰する仕組みも確立しました。

   このことは「レースから旅へ」というバイクの新たな魅力訴求にもつながったのだと思います。

さらに僕はバイクで旅する楽しさを多くのライダー達に知ってもらうため、日本全国の山紫水明にもっと目を向けてもらう必要があると思いました。これは、バイクというものは常に自然を背景に持ち、その関係をより強く感じる事こそが、バイクの魅力を何倍にも輝かせることだと確信しているからです。

 そこで、日本の東西南北に点在する最果ての地を極地と考えて、それら16極を周ることを1つの指標とする今日の「にっぽん応援ツーリング」を提唱したわけです。

   

    にっぽん応援ツーリングは、自然や人と触れ合うなかで社会貢献を楽しみながら、社会にバイクの有用性を浸透させる旅です。

 たとえば、ガソリンを入れ、お土産を買い、その街に泊まって土地の味を楽しむ。

   それ自体もその街の経済を助けることにあるわけですが、それ以上に、どういう町でどんなことをすれば町の人々に喜ばれるのか?

よそ者の私たちがいきなり訪れてそのニーズに巡り合うのはなかなか難しいことです。

 

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   そのために、にっぽん応援ツーリングでは、全国を8つのエリアに分けて、それぞれの地域の情報を発信してくれる「地域アンバサダー」を配置しています。

   今後は各地のアンバサダーの方々との連携をさらに円滑にし、各エリアのホットな話題を提供できるように、人や街とのつながりを楽しみながら、より豊かな旅を楽しんでいただこうと考えています。

災害地における心得や装備とは?

安全意識の豊さを保つ

 風間深志は常々、「バイク文化を発展させる」という言葉は、

・安全をどう確保するのか?

そして、

・万一の時どう対処するのか?

という考えとセットでなくてはならない」と考えています。

 今回はその「どう」について、専門家の指導を仰ぎ、具体的に体得する機会を作りました。

Dr.の松下隆先生をお迎えして

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 バイクを愛好する中で、ケガというものは常に隣り合わせにあるものです。

もしも皆さんが大きなけがをした時、病院に運ばれるとなると大概の場合は外科に運ばれることになると思います。

 しかし、実は外科と言ってもその医者によって、骨・関節・筋肉・神経と、得意分野が異なるのが日本の外科なんです。

運ばれた先で手当ての方法が違うという話を聞くのはそのためです。 

​ 特にバイクで負傷した場合は、複合的に損傷していることがほとんどですから、分野を横断してトータルに判断・治療のできる「外傷医療」というものが必要です。

海外、特にドイツでは、既にこの考え方が発達していて、充実した設備の中で技量の高いドクターによる受け入れ態勢も十分整っています。

しかしながら、今の日本における「外傷再建医療」というのは、海外よりも非常に遅れていると言わざるを得ません。

 そんな思いから、私は川崎の新百合ヶ丘に外傷再建を専門に扱うセンターを作りました。

ですので、もし大きなけがをしたら、私のところまで来てください、どこよりもしっかりと治します。

 

 とても頼もしい先生の言葉。

松下先生には今後の大災害の際に派遣する、バイク部隊と医療チームの一員として参画していただく予定です。

バイスタンダーになろう~「ライダーのためのFIRST AID講座」を開催

松下先生のお話の後は、Northernラリーの出発式でも救命講習をした新井瑞雪(みゆき)さんによる、ライダーのための救急救命講座を開催。

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 一般的に行われる救命講習でも場面を問わない形でCPR(人口心肺蘇生)やAED(自動体外式除細動器)の使用法について学ぶことはできますが、今回は二輪事故の現場を想定した内容です。

今回は、現場の安全確保の方法や転倒者に声をかける際の注意等、現場での初動体制などについて学び、さらには救命訓練に使われている人体模型を使って、CPRの方法とAEDの使用方法など、事故に遭遇した場合に必要な救命の知識を学びました。

 事故に遭遇した際、その場に居合わせた人が、救急車が来るまでの間に正しく対処できることによって、命を落とさずに済む可能性がグンと上がります。

 そして、バイスタンダーとは「その場に居合わせた人」という意味ですが、ここでは「救命知識を持って初動体制に当たれる人」のことを言い、今回はそのための知識を皆さんに体得していただこうと思います。

 

まず、バイスタンダーとしてその場に居合わせた時、第一に必要になるのが二次災害の防止です。

「事故に遭った際の備えを持っていますか?」という問いかけに、参加者たちから差し出された非常時グッズ。→

にっぽん応援ライダーの意識の高さがわかります。

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 転倒している人は恐らく、へルメットを着用したまま倒れていることが多いと思います。

 基本的にヘルメットを脱がせる場合は、2人以上の人が必要で、一人はヘルメットを脱がせる役、もう一人は首の固定確保約になります。

そして、ヘルメットはむやみに脱がさない方が良いとされていますが、呼吸停止や吐しゃ物が認められる場合などは脱がせる必要があります。

ヘルメットを脱がせるかどうかの判断が難しい場合には、119の指令にその旨を伝えれば指示をもらえるので覚えておきましょう。

 二輪事故の現場での初動体制について基本的な知識を得た参加者たちは、負傷者に声をかける角度に意味があることなど、細かい配慮に関心を深めたようです。

 

 この後は救命訓練に使われている人体模型を使って、CPR(人口蘇生)、AED(自動体外式除細動器)の使用法などを学びました。

この人体模型には圧迫の速さ・強さなどを図るセンサーが内装されていて、マッサージの効果を視覚的に見ることができるようになっています。

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 救命はプロでも、継続的に講習を受けていますので、そういった講習は一回受ければよいというものではなく、機会があれば多くの人に受けていってもらいたいと新井さんは言います。

 こうした講習を受けたライダーに受講証明などを発行し、バイスタンダーが公に認められる資格になるようにしていくのが新井さんの目標。

​ にっぽん応援ツーリングでは今後、バイスタンダーの知識を持ったライダーを増やして、事故現場や、災害地での救援に役立てようと考えていますので、こうした講習の機会も増やしていこうと思います。

バイクを社会に役立てる

 災害地で発揮されたバイクの機動力、これによって社会のバイクに対する意識が好転することを体験した風間深志は、より安全に災害復興に役立てるため、悪路を走れるライダーの育成を考えています。

 そこで今回は、未舗装のグラウンドを使って一般的なツーリングから林道走行にも役立つ、オフロードワンポイントアドバイスと、走行体験(希望者)を行いました。

 

 インストラクターとしてお迎えしたのは、モトクロス国際A級、エンデューロ国際A級の実力派ライダー太田真成 選手。

今回はオフロードを走る上で基本となる3原則について、バイクを使いながら具体的にお話をいただきました。

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参加者にアドバイスする太田真成 選手(左)とアドバイスの課題を参加者に示す風間晋之介(右)

 バイクを安全に走らせるには、見る・準備する・実行するという3原則があります。

 まず「見る」ということですが、これは路面状況や周囲の交通状況を的確にとらえるということ。

 また、「準備する」というのは、基本的なライディングフォームを整えるのもそうですし、「見る」の部分で得た情報に身体を合わせて次の動きに備えるということです。

 そして、「実行する」というのは、判断したことを基にしてバイクに動きを与えていくことです。

教習所ではよく、フロントブレーキ:リアブレーキを7:3とか8:2と言った割合でかけろと言われると思いますが、オフロードでフロントブレーキに頼りすぎると転倒のリスクを高めてしまいます。

 オフロードでマシンを安定させるには、リアブレーキで車体をコントロールすることが大切です。リア主体のブレーキングを心がけましょう。

 また、乗車姿勢ですが、これもやはり教習所で「ニーグリップをしなさい」と言われてきたと思います。

でも、ニーグリップをしながらスタンディングの姿勢をとってみるとわかりますが、その姿勢を維持して乗り続けるのは難しいことです。

 その上、変化の激しいオフロード上でニーグリップをすると、路面からの外乱に影響されやすくなるので、ニーグリップはせずに、マシンの動きをフリーにしながらマシンをコントロールすることが大切です。

と、ここまでは、座って太田選手の話を聞きながら感心するばかりの参加者たちでしたが…。

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 各自のマシンに跨った状態で、これまでのお話をおさらい。

 腕の置き方、身体の力の入れ方などのレクチャーも受けて、ニーグリップをせずにスタンディング。

 マシンを振った時のコントロール性の違いに、目からウロコの参加者たちでした。

 この後は、希望者を対象にしたオフロード体験会を実施。

参加者たちは太田選手の指導を受けながらここで学んだことを活かして走り込んでいき、終盤にはブレーキングやテールスライドなど、メリハリよく走れるようになって「これまでよりずっとコントロールしやすくなった」と大喜びです。

 

 時期や詳細は未定ですが、にっぽん応援ツーリングでは災害地で役立つオフロードの基本的なライディングテクニックの知識を深める場として、今後もこの種のミーティングを開催したいと考えています。

 

 今回インストラクターを務めていただいた太田選手は、毎月第一土日にオーランドパーク宍原にて行われる太田塾の講師として活躍中。

太田塾は、初心者からプロライダーまで学べる人気のオフロードバイクスクールですので、是非受講してみてください。

もっと

社会に役立つ楽しいにっぽん応援ツーリングへ

 今回は、​風間深志の講演をはじめ、専門知識を持つ講師のもと、にっぽん応援ツーリングがテーマとする「バイクによるボランティア」の究極系の姿を求め、意識と技術の向上についての方法を模索する試みで、ライダーたちと未来の応援ツーリングを考えるミーティングとなりました。

 今回のにっぽん応援ツーリング ファイナルミーティングの模様は、「風間深志の欲張りガハハトーク」にて動画でご覧いただけます。