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MLR SPECIAL INTERVIEW  スペシャルインタビュー
株式会社デグナー 代表取締役社長
嘉山 琴子
勇気を出して
壁を乗り越える感覚を
バイクで味わって欲しい
バイクブームがまさに全盛期を迎えていた1987年、京都山科にて主にアマチュアライダーに向けてライディングスーツ(革ツナギ)の修理やフルオーダー製作を行うショップが産声を上げました。その名は「デグナー」。店名は鈴鹿サーキットに設けられたコーナーのひとつ「デグナーカーブ」が由来でした。

そしてデグナーはライディングスーツ製作のノウハウを活かし、レザージャケットをはじめとするライディングウェアのほか、サドルバッグやレザーウォレットといった様々なレザーアイテムまで展開する総合バイクギアメーカーに成長。37年にわたり多くのライダーに支持されています。
嘉山琴子さんがデグナーの代表取締役社長に就任したのは2017年12月のこと。バイク業界にあって数少ない女性社長として存在感を発揮している嘉山さんにお話しを伺いました。

 

――二輪免許を取ったのは比較的遅かったそうですね。

昔からバイクっていいなと思っていました。そして大学の友人がカワサキのバリオスやホンダ スティードに乗っていたことに影響されて教習所に通い始めました。白のヤマハ ドラッグスター250に乗ろうと思っていたのですが、じつはこのときは教習所を卒業できませんでした。
当時、スケートボードが流行っていまして、教習期間中に大学の構内で練習していたら転倒して鎖骨を骨折してしまったんです。結局、検定期限内に復帰することができず、免許取得は諦めるしかなくて。


――そうでしたか。バイクもそうですけど、スケボーも女性のプレイヤーって少ないですよね。

いま言われて初めて気付きました、たしかに女性は少なかったですね。ただ、自分はそういうのを気にしないというか、自分が楽しそうと感じたら、気にせず飛び込む性質だと思います。余談ですけど、当時はスケボーとスノボーをすごく熱心にやっていて、冬は湯沢でアルバイトをしながら、シーズンチケットを買って毎日ゲレンデで修練していました(笑)

――ものすごくアクティブだったんですね。じゃあ免許は社会人になってから取得されたんですか?

そうです。ただ、私は大学卒業後に新卒でデグナーへ入社しているので、しばらくは仕事に夢中で教習所どころではなかったですね。入社三年目にやっと大型自動二輪免許を取得して、ついに念願のバイク、ビューエルのXB9Sを手に入れました。このバイクはいまも私の愛車です。

――デグナーに入社したきっかけを教えてください。

バイクが好きだったので、それに関わる企業ということで興味を持ったんです。あと、私は学生時代から海外も含め旅をするのが好きで、中でもパキスタンの「フンザの谷」はいつか行きたい場所のひとつでした。それで就職にあたってデグナーの業態を伺うとパキスタンの工場と取引があることを知り「ここで働いたら行けるかも?!」と思って(笑)実際はフンザの谷がある場所は経済圏ではないので出張のついでには行けるようなところではない事が発覚、いまだに夢見る訪問先です。

――嘉山さんのバイクライフはどんなものですか? 

私はバイク業界の人になってからライダーになったので、一般の方より「濃い」バイクライフを送ってきたという気がします。ツーリングはもちろん、サーキット走行やミニバイクレースなど、本当ならいくつものステップを踏んで辿り着くようなことも、お客様や社員に助けられ短期間で体験することができました。社長になってからはバイク業界の方々との交流を深めるコミュニケーションツールという側面もありますね。ゴルフに近い感覚で皆さんとツーリングに行ったり。

――そんな濃縮されたバイクライフのなかで嘉山さんなりに感じたバイクの魅力ってどんなところなのでしょうか

リセットできるところでしょうか。バイクで通勤している時期もあったんですけど、他の乗り物に比べて集中して運転するからか、バイクで走ると気持ちが明らかに切り替わるというか。これが好きでみんな乗っているんだろうな~と思います。あとバイクって電車や車で移動していると気が付かないような景色の美しさや光のゆらめきや、風の匂いなんかをすごく鋭敏に感じることができますよね。そこも魅力です。
 
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新型コロナウイルスの脅威が全世界をおおっていた2020年、デグナーはチャリティ商品として西陣織の金襴(きんらん)を施した「モトマスク」を販売。売り上げの50パーセント、金額にして500万円以上を「国境なき医師団」へ寄付したことで大きな話題となりました。このアクションの裏には、デグナーらしく、そして社会的に意義のあるものを提供したいという嘉山さんの思いがありました。

私は学生時代から人々の気持ちが健康になる活動がしたいという想いがあったんです。当時、不可解な動機の凄惨な事件が相次いで発生していたんですね。仮に自分が将来出産して子育てをするようになったとして、こんな社会では安心できないなあと。具体的にどうするかというはっきりしたヴィジョンはなかったのですが、私は本を読むのが好きだったのでカウンセリングのある図書館を作りたいと漠然と考えていました。

 

――もうひとつの夢があったんですね。

 

入社して五年くらいたった時に実際にそちらの方向に進もうと思ったこともあったのですが、世古口(現会長)が「もしそういったことがやりたいなら、デグナーの社長という立場でマネジメントを経験してからでも遅くないよ。何なら会社の事業としてやればいいじゃない」とまで言ってくれ、いまの仕事を続けていく覚悟が決まりました。

ところが、改めてデグナーのお客さんを含め、周りにいるライダーたちを見渡すと、バイクという趣味を満喫している方は皆さんイキイキしていて心が健康な方が多いんですよ。それに気が付いたとき「ああ、私はいまの仕事を通じて、もうひとつの夢も叶えているんだな」と実感しましたね。

 

――最後にMOTHER LAKE RALLY2024に参加する女性ライダーにメッセージをお願いします。

 

ビギナーライダーにとっては琵琶湖まで行くこと自体がひとつのチャレンジだと伺いました。まずバイクを出すのもひと苦労、よく分かります……!笑 でもちょっとしたハードルでも、クリアした瞬間ってすごく気分がいいじゃないですか。案ずるより産むが易しの格言ではないですが、勇気を出してやってみたら意外とできたなんてことも多いと思うんです。ぜひ壁を乗り越えてそんな気分を味わって欲しいですし、これに味を占めてどんどん外に出て行ってほしいです。これからいいシーズンですからね!
 

(嘉山さんは16日(日)MOTHE LAKE RALLY2024 アワードのゲストプレゼンターとして登場予定です)

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ライディングアパレル・ギアの総合メーカー、デグナーのヘッドショップ。広大なフロアにデグナーの全商品が陳列され、実際に手に取って購入することができる。
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デグナーはバイク用品の企画開発・生産から販売までを自社で行う。本社2階には自社工房があり、自社製品はもちろん、他社製品の修理も対応している

PROFILE

 

嘉山琴子(かやま・ことこ)

立命館大学政策科学部を卒業し2003 年に新卒でデグナーに入社。国内法人営業として主に新規開拓で活躍する。営業部課長 / 営業部部長を経て、産育休復帰後は採用活動や海外営業、OEM営業に携わり新規開拓を行う。2013 年に 専務取締役に就任し、2017年12月21日から現職。

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